2012年8月31日金曜日

原猿集団と雌雄(充足)共認

原猿集団のオスは首雄だけです。つまり、オス同士はまだ集団を形成する所まで、共感機能を発達させることが出来ていません(オス同士が集団を組める様になるのは原猿の登場から3000万年も経った、真猿からです)。

しかし、原猿も中期以降、一つの画期的な進化を遂げています。それは、それまで原モグラ同様、夫々の縄張りを持ってバラバラに暮らしていたメスたちが、首雄の周りに集まって同居する様に成ったという点です。つまり、オス同士は集団を形成できなかったけれども、首雄とメスは性的引力を下敷きにして、生殖集団(首雄と数匹の雌とその子供たち)を形成した訳です。

2012年8月29日水曜日

『性闘争本能から縄張り闘争へ』

無性生物における食(養分の摂取)の諸機能から発展して危機逃避や追従や捕食攻撃etcの闘争系の本能が形成されたという説は、概ね正しい。しかし、その様な説を展開している皆さんが見落としている重大な論点が一つある。それは、それら闘争系の諸機能(本能と呼んでも良い)は、全て生殖(原初は分裂)の為にあるという点である。生殖の為の闘争というこの関係は、生命の骨格を成す最も重要な原理の一つだと、云えるだろう。

2012年8月27日月曜日

哺乳類の性闘争本能

サル社会を解明する為には、サルに引き継がれた哺乳類の本能特性を、概略的にでも押さえておく必要があると、思われます。

哺乳類の最大の特徴は、胎内保育機能にあります。しかし、卵産動物が一般に大量の卵を産み、その大部分が成体になるまでに外敵に喰われることによって淘汰適応を実現しているのに対して、胎内保育と産後保育の哺乳類には、適者だけ生き残ることによって種としてより秀れた適応を実現してゆく淘汰適応の原理が働き難くなります。そこで、淘汰適応が成体後に引き延ばされ、成体の淘汰を激化する必要から、哺乳類は性闘争=縄張り闘争の本能を著しく強化してゆきました。実際、性闘争を強化した種の方が適応力が高くなるので、性闘争の弱い種は次第に駆逐されてゆきます。かくして哺乳類は、性闘争を極端に激化させた動物となっていきました。現哺乳類の祖先と考えられているモグラの場合、性闘争に敗け縄張りを確保できなかった個体(=大半の個体)は、エサを確保できずに死んでゆきます。

2012年8月25日土曜日

なぜ「男女同権」なのか?

女性が様々な職に就き、活躍することは喜ばしいことだと思います。
しかし、女性には女性特有の“能力”があります。自分の能力を生かしたい、というのであれば「女性」の能力=生殖や性的な役割を蔑視すべきではないでしょう。逆に言えば、「女性に性的役割がある」と言ったときいい気がしないのは、その女性自身がそのような性的役割を蔑視しているからだとも言えます。

私は女性の「幸せ」が結婚とは申しませんし、「社会で働くこと」を悪いとも思いませんが、女性特有の能力である性的な役割や生殖よりも、社会で働くことが“上”であるとも思えません。

人間は根元的に評価(期待)を求める生き物であると私は考えています。結婚して評価してくれるのは「夫」と「子供」(それも怪しい)だけという現状では、女性が社会に出ようとしても無理はないでしょう。社会に出て皆のために役に立つ“仕事”をしたいというのは、ある一面普遍的な欲求であると考えられます。

しかし、子供を産むという行為は、生物としての役割です。かつ、現在それを放棄して「社会」は成り立つのか?という問題もあります。(男の人に子供は産めませんから)。現在の少子化による高齢化社会、犯罪の低年齢化など、解決できない問題は様々あります。それらはまさに、「私たちが生きている現実の社会」の問題です。

2012年8月23日木曜日

自然免疫の働き②~それはミトコンドリアを中心に細胞ひとつひとつが強くなること

西原克成氏『からだと精神、五臓六腑とこころ』の つづきです。
http://www.nishihara-world.jp/dissertation/diss_02.htm
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脳神経と筋肉は共役して同時に発生します。筋肉のない生物には神経はありません。神経なくして筋肉はない。筋肉なくして神経はありません。

脳には大脳辺縁系の内蔵脳(知覚と運動)と大脳皮質の体壁脳(知覚と運動)があり、それぞれ内蔵平滑筋肉と体壁横紋筋と共役し、外界と身体との窓口となっています。

従来の脳の研究は脳だけを切り離し研究したために殆ど成果が上がらずに無駄骨を折っていたのです。

内蔵のうごめきや体の中でも最も原初の単細胞動物の形を保っている白血球の動きの中に心が宿り、横紋筋肉の動きの中に計算や考え・精神・思考が生まれます。

心とは生きる意欲のことですから、生命欲で、ヒトでは仏教で言う五欲のことです。

これは財・名・色・食・睡で代表されます。生命欲ですから原生動物にもバクテリアや植物細胞にも心はありますが、体壁筋肉細胞や神経細胞・骨芽細胞等、高度に機能分化した細胞にはもはや心はありません。

もとより横紋筋のない単細胞動物や植物には心はあっても考え(思考)はありません。

細胞内生命のミトコンドリアは、太古の好気性菌(原核生物)が真核生物に寄生したものですから、生命欲すなわち心を持つと考えられます。

2012年8月22日水曜日

ミクロ寄生とマクロ寄生1

【heuristic ways】より『ミクロ寄生とマクロ寄生(http://d.hatena.ne.jp/matsuiism/20090924/p1)を転載します。家畜文化には、知られざる面があり、ヒトと家畜の共生活は、人畜感染症の育成源になるとのこと。多くの家畜を飼っている民族ほど、伝染病や寄生虫にたかられることになるとのことでした。神の怒りとされる疫病は、中東家畜文化が生みだした現象ではないか?との示唆があります。採集部族でも、薬草などによる中毒や麻薬効果により神憑り、神祟りのようなことは起こっただろうとも思います。東洋と西洋、農耕、採取、漁労部族と狩猟・遊牧部族では、異なった外圧があったことが考えられます。
-----------------------------------転載
 少し前に、『変身のための起源論』というブログ(現在は『明夜航記』というタイトルで継続中)で、「ヒトと動物の関係史」というテーマを取り上げていることを知り、興味深く読ませていただいたのだが、その中に次のような指摘があった。

2012年8月21日火曜日

哺乳類進化への過程(泌乳の視点から)②~プレ哺乳類の放散~

現在に繋がる哺乳類の祖先は、
単弓類→獣弓類→キノドン類→哺乳類刑類→哺乳類と繋がる。

放散する流れを3億2千年前のペンシルバニア期から1億年前の白亜紀までを押さえてみると、いろいろの機能を獲得しながら、食性の特殊化と運動の発達によって歯と骨格が発達していっている。

「泌乳の開始ならびに初期進化に関する新仮説」http://ir.obihiro.ac.jp/dspace/bitstream/10322/2924/1/hitsunyu.pdf より
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【プレ哺乳類の放散】

単弓類の現生哺乳類への連続的進化は,下のように区分される。

1.最初の有羊膜類の放散は、竜弓類から単弓類を分離させた。

2.ペンシルパニア紀後期とそれに続くペルム紀に、単弓類は多様な基礎グループへと放散し,そして獣弓類を出現させた。

3.ペルム紀後期に初期獣弓類の放散がおこった。

4.ペルム紀の終わりに大絶滅が起こり,わずかに生き残った獣弓類からCynodont(キノドン類)が出現した。

5.三畳紀までにCynodont(キノドン類)は,歯,頭蓋骨,骨格の形態において哺乳類様の特徴を含むようになり,三畳紀後期およびジュラ紀にMammaliafonn (哺乳形類)が出現した。Mammaliaformは機能的な歯骨-鱗状骨顎関節をもつ。

6.ジュラ紀後期か白亜紀までに真性の哺乳類が出現した。

2012年8月20日月曜日

脳進化の原動力は、原始哺乳類の嗅覚進化にある

>(大脳辺縁系-情動の脳)
 情動の脳の原点は、においを認識する嗅葉と呼ばれる部分だ。
 原始哺乳類の登場とともに情動を支配する脳に大きな変化が起こった。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=266511脳の進化の歴史
 ~脳幹・大脳辺縁系・大脳新皮質の発達と役割~)

生物進化の過程を「集団(群れ)が原点」という視点で追求しています
が、その中で、匂い(嗅覚)の果たす役割に着目しています。
両生類以降に嗅覚は主嗅覚系の他に鋤鼻嗅覚系(フェロモン系)の機能を獲
得し、さらに原始哺乳類以降に嗅覚機能を主として大脳辺縁系を飛躍的に
進化させています。

この嗅覚進化は、単に夜行性や土中生活という環境適応から生じたもので
はなく、母子関係や同類認識、雌雄認識のために必要不可欠だったものと
思われますが、何が決定的な要因なのかを追求していますが、まずは嗅覚
と脳の関係についてのレポートを紹介します。

2012年8月19日日曜日

性染色体の不思議1~Y染色体遺伝子の退化による性染色体の進化~

【日経サイエンス2004年01月号】より『Y染色体遺伝子の退化による性染色体の進化』の記事よりご紹介します。
 性染色体は不思議な構造をもっています。Y染色体は、変異が蓄積されやすい構造を持っている為に、組み換えをしない分、退化が生じます。しかも変異は、生命にとって有害でありながら、淘汰されない範囲=個体の命に係らないように蓄積されてゆく構造を持っています。これは絶妙です。
 また、退化が生じても組み替えが起こらないので、一方のX染色体に正常な遺伝子がれば、淘汰されず、Y遺伝子に変異が蓄積してゆくことになります。
 さらに、Y染色体には性決定遺伝子がありますが、これらは組み換えしないので退化すると思われていますが、実際は、特定領域に重複するように相補的に塩基配列がある(回文調「たけやぶやけた」のようなものになっているとのこと。 wiki(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9E%E6%96%87))ために擬似的な組み換えが起こっているようです。
 他方のX染色体は、組み換えするため、退化すれば、すぐ、淘汰されるという構造を持ち、生命の維持に優位な構造を持ち、いかに安定した子孫を残すことができるか?という構造をもっているようです。