現在に繋がる哺乳類の祖先は、
単弓類→獣弓類→キノドン類→哺乳類刑類→哺乳類と繋がる。
放散する流れを3億2千年前のペンシルバニア期から1億年前の白亜紀までを押さえてみると、いろいろの機能を獲得しながら、食性の特殊化と運動の発達によって歯と骨格が発達していっている。
「泌乳の開始ならびに初期進化に関する新仮説」http://ir.obihiro.ac.jp/dspace/bitstream/10322/2924/1/hitsunyu.pdf より
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【プレ哺乳類の放散】
単弓類の現生哺乳類への連続的進化は,下のように区分される。
1.最初の有羊膜類の放散は、竜弓類から単弓類を分離させた。
2.ペンシルパニア紀後期とそれに続くペルム紀に、単弓類は多様な基礎グループへと放散し,そして獣弓類を出現させた。
3.ペルム紀後期に初期獣弓類の放散がおこった。
4.ペルム紀の終わりに大絶滅が起こり,わずかに生き残った獣弓類からCynodont(キノドン類)が出現した。
5.三畳紀までにCynodont(キノドン類)は,歯,頭蓋骨,骨格の形態において哺乳類様の特徴を含むようになり,三畳紀後期およびジュラ紀にMammaliafonn (哺乳形類)が出現した。Mammaliaformは機能的な歯骨-鱗状骨顎関節をもつ。
6.ジュラ紀後期か白亜紀までに真性の哺乳類が出現した。
・初期有羊膜類の放散時期(約3億1000万年前,ペンシルバニア紀)は,広大な沼地,巨大なスギナを含む川辺の森,巨大なヒカゲノカズラ,広がったシダ植物に覆われていた。
初期有羊膜類の化石は北アメリカとヨーロッパで見つかっているが,その当時そこは赤道近くであった。
有羊膜類は水分への生存依存性が小さく,顎の構造から昆虫や無脊椎動物のような小さな獲物を摂食していたと考えられる。
・基礎単弓類は、多くの肉食および草食動物へと放散し,200~300kgの体重を持つものが陸生の生態系の優先種であった。
基礎単弓類のエダフォザウルス類とスフェナコドン類は,背中に巨大な帆をもっていた。
帆は吸熱また放熱器として機能した。
それらは,姿勢,運動,代謝また成長において原始的特徴を保っており,羊皮紙様の殻をもった卵を産んだ。
基礎単弓類の大半はペルム紀末に絶滅した。
・獣弓類は,ペルム紀後期の初めに出現し,肉食性また草食性であった。
それらは初期のものでさえ頭骨が強固で,食性の特殊化と運動の発達によって歯と骨格が発達した。
そして,それらは系統進化が進むにつれて顕著になっていった。
超大陸パンゲアはベルム紀に北方向から赤道に移動し,地上を暑く乾燥したものにし,砂漠は広がったため,いくつかの初期獣弓類はベルム紀後期に絶滅したが,草食性のジキノドン類と、肉食性のゴルゴノプス類やテロケセファラス類は生き残った。
哺乳類に近いキノドン類はペルム紀後期の終わりに出現した。
ペルム紀末の大絶滅によって,海生,陸生の生物の70%が絶滅した。その中で,代表的な3グループの獣弓類が生き残った。テロケセファラス類はペルム紀には生き残ったが,三畳紀に絶滅した。ジキノドン類とキノドン類は生き残り優勢種となった。これら進化した3種の獣弓類は内温性,高いエネルギー消費といった哺乳類様の多くの特徴を備えていた。ジキノドン類とキノドン類のよく血管の発達した線維層板骨の存在は,効率的な骨成長とリモデリングを示唆している。またこれら3グループで見られる骨性の二次口蓋の発達は,頭蓋骨を強固にし、食物摂取と同時の呼吸を可能にした。さらに,これらの3つのすべての分類群は,高い食物摂取量を維持するために歯、顎、頭蓋骨そして骨格の形態的大変化を引き起こした。
キノドン類の下顎の歯骨は筋突起として背側に広がり,これにより強力な咀嚼筋である咬筋を発達させた。歯骨は、後歯骨と置き換わって後方へと広がり,後歯骨は縮小した。そして歯骨は頭蓋骨である鱗状骨と接触するようになり,この接触は機能的な顎関節を発達させた。
モルガヌコドン類やシノコドン類といった初期哺乳形類では,顎関節の移行型を示し,2つの顎関節(関節骨一方形骨関節,歯骨一鱗状骨関節を保有していた。ハルドコディウム類とその後の哺乳類系では,新たに顎関節から独立した関節骨ー方形骨関節は,ツチ骨とキヌタ骨として中耳に取り込まれた。哺乳類の中耳は,初期キノドン類の顎関節から誘導されたものである。
西村真治
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